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動物絵描きAYAの摩訶不思議な日々。

「追い求める男」のリズム

 

ジャズのサックス奏者のチャーリー・パーカー(作中ではジョニー)をモデルに描かれた、フリオ・コルタサルの「追い求める男」。

 

ジョニーに魔法のように惹きつけられて

隅から隅まで、共鳴しました。

 

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彼の言葉には天使が飛んでる。

 

時間は、伸縮自在なスーツケースみたいなもので

演奏中や地下鉄に乗っている時に

どんどん引き伸ばされてどんなものでも中に入る、とか。

 

また演奏中は

エレベーターに乗っているような感じで

ぐんぐん空へ上がってゆく。

空を飛んでいるのだけど

演奏が終わると、頭から墜落してしまう、とか。

 

 

イカロスだな。

私もどうやったら

墜落せずに長く空を飛び続けられるか

と考えているのだけど

バランスだなぁと思うのだけど

いつだってどこかしらバランスが崩れているのが人間で

それもよいのかもしれない。

 

 

娘が亡くなって

打ちひしがれている彼のリズムには戦慄した。

 

しばらくするとジョニーはベッドの上で身体を起こし、最初はゆっくりと一語一語噛みしめるようにして罵りはじめたのだ。そして、コマのように勢いを増しながら『アマラス』の録音に関係した人たちを次々に罵りはじめた。目は他のほうを向いていたが、信じられないほど卑猥な言葉でぼくたち全員を厚紙の上の昆虫のように突き刺していった。まずアートとドゥロネからはじまり、ぼくをとばして(もっともぼくは……)、デデーや全能のキリスト、すべての人間を生み落とした娼婦に至るまで『アマラス』に関係した人間をひとり残らず槍玉に挙げて、二分ばかり罵り続けた。それを彼は徹底的にやった。そのあと、かわいくて、真白な小石、シカゴで肺炎で亡くなったビーへの弔辞が並べられた。

 

以前ラジオで耳にした

どこかの大学教授の方だったかが、

それは上手に再現して歌ってくれていた

チンパンジーの歌によく似ていると思った。

大地のパワー。

生命のリズム。

愛だ。

 

 

そんな彼を、主人公は

「ぼくの兄弟とも言えるあの天使、

ぼくの天使とも言えるあの兄弟のジョニー」

と表現する。

 

 

高く飛び

深く潜る。

 

どこかで、天国もまた地獄の一つなのだ

と聞いたことがある。

歓喜に取り憑かれて

何度も何度も飛ぼうとする私たちだ。

そして、地球に生きている間に精一杯

世界を、味わい尽くすんだ。

 

 

どうしたら……そうなんだ、時々ドアが開きはじめた……。ほら、見ろよ、あの二本の藁を、あそこで出会って、向かい合って踊っている……美しいな……。あれが開きはじめたんだ……時間……。

 

 

 

 

最後までお読みいただきありがとうございました♪